2016年6月1日水曜日

書籍”クール 脳はなぜ「かっこいい」を買ってしまうのか”を、読み始めた。クールの象徴「商品のブランド」化は紀元前4000年からすでにあったという。昔から「脳はブランドが大好き」なのだ。

「脳はブランドが大好き」というチャプターにブランドという言葉に異常に反感を持つ人の根底には「ブランドは新しいもの」という考えがあるという。そういう考えの集大成にナオミ・クラインの「ブランドなんか、いらない」で、ブランドは後期資本主義のやっかいな結果だと批判的に述べている。

しかし、COOLの著者は、歴史的に見れば不正確だと分析する。根拠は考古学者のデヴィッド・ウェングロウはなんと商品のブランド化は紀元前4000年からすでにあったという。コンシューマリズムが登場する何千年も昔だ。ブランド化は、最古の大規模経済とともに現れた。彼は、ブランド化が、品質管理、商品の真偽、所有権といった商品を大量生産する大規模経済につきものの問題解決の手段となった。















ではブランドと脳の相性の良さについて考えるのには良い実験がある。「ペプシ・チャレンジ」はブランドが脳に与える影響に関して行われた研究の先駆けだ。皆さんご存じのように、目的はブランドについての知識が、コカ・コーラとペプシという2種類の飲み物を飲むときの影響についての実験だ。












端的いうとブラインドテストの結果と好きなブランドが一致しないのだ。コカ・コーラ愛好者がコカ・コーラと認識して飲んだときには、記憶、感情、回想に対応する脳の部位が活性化した。つまりコカ・コーラというブランドにまつわる記憶が、そのブランドの経験を変化させたのだ。いわゆるエモーショナルブランディングの典型的な事例だ。














本書は、このような「かっこよさ」を求める選択や消費が無意識のうちに何を基準に行われているのか、私たちはなぜクール「かっこよさ」を求め、それはどのように経済全体を動かしてきたのかを、経済学と脳科学の観点から、解き明かしている。


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