2015年11月30日月曜日

広重の描く深川萬年橋吊るされた亀に潜んだ浮世絵コードの謎をデコードしてみよう。この亀はなぜこんな風に吊るされているのか?

「浮世絵コード」今日はパート3
不安定で不況の安政江戸の時代背景、今と同じ地震の復興など、絵の裏にドラマやがあったことを教えてくれる。安政東海地震や安政江戸地震後の幕府の対応や庶民の様子など。

広重の絵は,大胆な構図の遠近法の中に、いわば暗号(コード)とも言えるメッセージが込められていたとする「安政」という時代背景から読み解くと、いろいろ面白い発見がある。

深川万年橋の欄干(黒色)と茶色の手桶の堤げ手で縁取り、大写しの亀を吊るす、という大胆な構図。絵は萬年橋北詰(絵の右側)から、隅田川越しに、富士山を眺めている。萬年橋は今の清澄橋を、深川の清澄へ渡理、北に行ったところにある橋だ。
































ではなぜ、亀を近景に持ってきたのか?描かれたのは改印によると安政四年(1857年)十一月。
この場所の近くには富岡八幡宮(江東区富岡一丁目)があり、そのひと月半前の九月十五日にそこで「殺生を戒める神事で、宗教的な儀式の放生会」が行われている。捕らわれている亀などの生き物を放して自由にするという慣わしで、寺や神社などで亀の代金を払って橋の上から投げこむのだ。















つまり謎(コード)をデコードすると「近景の亀は放生会の象徴」、遠景には「富士山と落日」。これが放生会の祈る「後生、西方浄土のシンボル」で、亀はそこを見ている図像になっている。

蛇足だが「富嶽三十六景」の北斎へのライバル意識の証拠の痕跡。北斎の生存中決して描かなかった富士山をあっさり遠景に描いている。浮世絵は深い。

*浮世絵には禁令で描いてはいけないものが決められていた当時、メッセージをコードの中に埋め込んで隠した。ただ浮世絵の制作側の人々のコミュニティーだけに解る「浮世絵コード」を埋め込んで、鬱憤晴らしをしていたのだ。

http://sakainaoki.blogspot.jp/2015/08/blog-post_30.html
謎解き 広重「江戸百」原信田 実 (著)を参照した。








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