2013年7月6日土曜日

書籍『ラッセンとは何だったのか?―消費とアートを越えた「先」』エコロジストのサーファー画家でハワイの海やイルカの絵を売っていたラッセンは、消費材アーティストの典型かもしれない。


慶應大学の奥出直人さんが書籍『ラッセンとは何だったのか?―消費とアートを越えた「先」』に興味をしめされていて、私も懐かしいような恥ずかしいようなバブル時代を思い出した。

この頃、イルカやクジラをモチーフにしたリアリスティックな絵で一世を風靡したクリスチャン・ラッセン。 その人気とは裏腹に、美術界ではこれまで一度として有効な分析の機会を与えられずに黙殺されてきた。その是非は別として、















「リアルな絵」は美術に素養を持たない人でも絵がうまいと見えて評価されやすい。 つまり大方の一般の人はラッセンの絵は理解出来る。私は昔から絵を見て「解らない」という言い方に違和感を覚えていた。一方音楽には「解る」「解らない」という言葉は出てこない。あるのなら「好き」「嫌い」だろう。絵には解る解らないという言い方は似合わないと思う。 
















彼の絵はイラストじゃなくて「アート、絵画と定義」して売られていた。エコロジストのサーファー画家ということで売っていたラッセン。当時は、渋谷のパルコ通りなど繁華街で強引な若いミニスカのお姉さんによるラッセンの客引きがあった。















真面目そうなアートからおおよそかけ離れた青年が、急に若くて綺麗なお姉さんに不幸にも声をかけられ積極的に迫られ、あげく横に座られてミニスカから出た膝をちらみしながら数時間掛けてローン組まされて何十万かの絵を買わされてしまう。という都市伝説に近い話があった。

















ラッセンの凄さは、アートコレクターになってみたい欲望とはまったく無縁な独自市場にある。ラッセンを買った人がウォーホルや草間弥生も評価することはない。ウォーホルの版画を買った人はコレクターになる可能性が大いにある。

しかしラッセン購入者は「ラッセンを買った人で始まり」で「ラッセンを買った人で終わる」。 この謎を解くためにも『ラッセンとは何だったのか?―消費とアートを越えた「先」』を読んでみることにする。

 多くのWEB上のラッセンに関わる記事を参考にした。特に「Ohnoblog 2」は大いに参考にした。感謝!
 http://d.hatena.ne.jp/ohnosakiko/20080421/1208731778

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