2013年4月4日木曜日

広島県福山市で開催された「死刑囚の絵画」の決定的な展覧会

いまそこにいる死刑囚たちの、ぎりぎりの表現を集め展示する美術企画なのに、スポンサーも得られなければ報道もほとんどされないという。都築響一さんのブログ「ロードサイダーズ・ウィークリー」では、その中から今回70点近い作品を掲載。

そのうち僕の好みで選んだ9作品。林眞須美氏はかなりアートセンスがあるし、若林一行氏はカーデザイナーだったのではないかというくらいにパースが正確だ。

今月20日から6月までの2ヶ月間、広島県福山市の鞆の津ミュージアムで、『極限芸術 ― 死刑囚の表現 ―』と題された展覧会が開催される。鞆の津ミュージアムは、アウトサイダー・アートを専門に扱う新しいミュージアム。
林 眞須美「ピカソ」

林 眞須美「国家と殺人」


















































都築響一さんの文章。去年いちばんこころに残った展覧会は、広島市の郊外の小さなカフェ&劇場『アビエルト』で見た『死刑囚の絵展』だった。 小さな町の、小さな会場の、小さな舞台に仕切り板を立てて展示されていた40点ほどの作品は、いずれもいま死刑囚となって処刑の時を待っていたり、最近死刑を執行された受刑者たちによる絵画だった。
金川 一 「イタリア人女性画」

若林 一行「合縁奇縁」

松田 康敏「タイムスリップ あの時代へ」

小林 竜司「変わらぬ風景 リメーク版」

高橋 和利「もやし」

高尾 康司「無題」

松田 康敏「萬年カレンダー」


















































































































































































作品自体はそれほど大きくないのだが、そこに込められている感情の重さ・・・あるいは死刑という究極の刑罰を受けているのに、まるで切迫感が漂っていない感情の軽さをも含めて、圧倒的な迫力で僕をその場に釘付けにした。 死刑囚、ということですぐに思いつく宗教的なモチーフもある。でも、そういうのはむしろ少数派で、裸の女やスーパーカーを描いたものもあれば、怒りや怨みに満ちた画面もあり、緊張にあふれた抽象画もある。 

極限芸術 ― 死刑囚の表現 ―
4月20日[土] ~ 6月23日[日]
鞆の津ミュージアム
広島県福山市鞆町鞆271-1
TEL:084-970-5380
http://abtm.jp/ 

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