2011年11月22日火曜日

多くの日本画は写しから始まり、リデザインを重ねたものだ。達磨も龍も、日本画家の誰も見て描いたわけではない。この写しが日本画のトレーニングでもあるし、継承でもあるのだろう。絵は村上隆さんの達磨。

達磨大師は実在の人物とされているが、どの達磨も本人を見て描いたかどうかは不明だ。多くの日本画は写しから始まり、再解釈を重ねたものだ。特に龍などは実在していないので、当然ながら誰も見て描いたわけではない一種の図案だ。この写しが日本画のトレーニングでもあるし、継承でもあるのだろう。また、過去の作曲家が作った曲を再演奏することが芸術とされている意味では、クラシック音楽とも似ている。



















この絵は、村上隆さんの作品だるまさんシリーズの一つ。242.6 x 281.9 cmと大きなもので、細部をよく見ると眉毛がピンクで縁取りされていたり、目がカラフルだ。古典的な日本画の中にも新しい解釈がある。もともと、村上さんは東京芸大の日本画出身。彼の作風の特徴は、「オタク」+「アニメ文化」+「日本画」という要素は、グローバルから見ると、すべて日本固有のオリジナリティーに溢れている。佐藤可士和さんの村上隆評も面白いので添付しておく。


























目を見開けど実景は見えず。ただ、己、心、凝視するばかり也
I open wide my eye but see no scenery. I fix my gaze upon my heart., Takashi Murakami, 2007



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