2011年10月4日火曜日

ジョブズは「優れた芸術家はまねる、偉大な芸術家は盗む」と言い「炊飯器とコンピューター」という一見関係もないはずのものを「つないだ」のだ。

ジョブズはイノベーションに不可欠な要素としての連関力がとても強い人。アップルのノートパソコンに付属するACアダプターはMagSafe(2006年から)といい、磁石でパソコンに固定される。力が加わると簡単にコンピューターから外れるため、コード引っかけてコンピューターを落としてしまう心配がない。実はこのアイデアは日本製品から盗んできた(インスパイアされた)ものだ。








電気ポットや炊飯器の多くで採用されている電源コードの接続と同様に磁力によって接続する。「炊飯器とコンピューター」という、基本的に何の関係もないはずのものをジョブズは想像力で「つないだ」のだ。炊飯器はテーブルから落ちると重大な事故に繋がるからある意味当然、しかしパソコンは命に関わることはレアケースなので誰も繋げて考えなかったのだろう。

ジョブズは「優れた芸術家は真似(まね)、偉大な芸術家は盗む」と語ったことがある。もともとは パブロ・ピカソの言葉です。この言葉は誤った解釈をされ、ジョブズがオリジナルなアイデアを生みだしていない証拠と言われることが多い。しかしこの前後を読めば、コンピューター業界以外にインスピレーションを求める話をしていることがわかる。このように前後まで読めば、盗む話より「つながりを実現する話」を強調していること、幅広く経験を積んで想像力を生みだす話を強調していることがわかる。「スティーブ・ジョブズ 驚異のイノベーション」―人生・仕事・世界を変える7つの法則から多くの文章を引用した。この本は非常に素晴らしい洞察に満ちている。

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