2011年4月10日日曜日

ミシンは人間の腕を模して作られた初期型ロボット、そのミシンが奏でるオーケストラ、音は未来的だが、ビジュアルはどこか懐かしい

1940'sのミシンを利用した、ミシンのオーケストラです。以前にも家電オーケストラを紹介しましたが、今回のオーケストラも実に味があります。ノイズという本来は制御不能な音を、制御して奏でる音には、ロマンを感じさせます。また音は未来的であるものの、ビジュアルはどこか懐かしい時代を超えたスケール感が素晴らしいですね。


















Sewing Machine Orchestra from Martin Messier on Vimeo.

発せられている音は全てミシンから録音され、コンピューターによって制御されたものです。この作品を見た時に、これらミシンから呼び戻される過去の記憶とのギャップがまた興味深い。
工場制機械工業の導入による産業の変革「産業革命」という言葉が初めて使われたのは1837年。一方でsewing machineの「machine」をミシンと発音したのが日本での呼び方の始まりのようだ。また、ミシンは人間の腕をサンプリングして作られた初期型ロボットとも言える。実際にフランスのシモニアが、1830年に特許をとったミシンが、軍服を縫う目的で1840年に80台生産されたが、「失業を恐れた他の仕立て屋によって破壊された」というエピソードが伝わっている。これはロボットに人間が支配されるというパラノイアの歴史的始まりかもしれない。













Martin Messierhttp://www.mmessier.com/
Martin Messier: audio, light, performance
Samuel St-Aubin: electronic
Sewing machine orchestra-ミシンオーケストラ-http://www.triangulationblog.com/2011/04/sewing-machine-orchestra.html



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